●「カリオストロの城」観賞記念スタンプ●
 
 
これは映画館のロビーにあった、いわゆる「鑑賞記念スタンプ」ってやつですね。私が子供の頃はゴジラ映画なんか観に行っても、結構そんな物が置いてあったりして、パンフレットの余白部分に押して帰ったものですが、この時はご丁寧にもハガキまで置いてあったようです。おまけに、たいがいこんなものは、置いてあるスタンプも1種類、インクも1色だけなんですが、この場合、スタンプの種類も豊富で全キャラ揃っていますし、どうやらインクも3色置いてあったようで、結構映画館も力を入れてたんですね。まぁ、正月映画ですから年賀ハガキですね。5桁の郵便番号欄が時代を物語っています(笑)。
 
「南街スカラ座」というのは大阪の難波にあった映画館で、残念ながら数年前になくなってしまいました。
「カリオストロの城」は公開初日、梅田のニューOS劇場(現OS劇場)という映画館に観に行きましたので、これは2回目観に行った時のものですね。つまり、梅田のニューOS劇場では、このような物は置いていなかったという事です。
 
「全キャラ揃っている…」と書きましたが、次元がいないですね(苦笑)。私が持っているのは、アップさせて頂いたものと、後、何のスタンプも押していないハガキだけのものです。かすかな記憶ですが、そう言えば次元のスタンプは押した憶えがありません。
 
これだけキャラが揃っているのに、次元のスタンプだけ作られなかった、置いていなかったとは考え難いですが、もしそこに次元のスタンプもあったのなら、私の性格から考えると、たとえ混雑していようとも、当然ハガキに押して持って帰っているはずです(たぶん五ヱ門と2ショットにして)。これは私の推測ですが、私が観に行くまでの間に、たぶん誰かが次元のスタンプを盗んだんだろうと思います。こういうスタンプはたいがいチェーンで繋がれていて、盗れないようにしてありますが、たぶん誰かが強引に引っ張って、持って帰ったのかもしれません。でもこうやって改めて観ると、次元だけいないというのは本当に残念ですね。
 
さて、このスタンプ…ポスターや宣伝スチールから流用したキャラクタースタンプですが、大変出来がよく、南街スカラ座のオリジナルのものとは思われません。ハガキにしたってそうです。これはあくまでも私の推測に過ぎないのですが、このスタンプ、ハガキは東宝が宣伝の為に作ったものでしょう。そして、全国主要都市の上映館に設置され、それが大阪の場合は難波の南街スカラ座だった、という事だと思います。このスタンプのルパンを観ていると、何となく不思議な感じがしたのですが、その原因がわかりました!。このルパン、頭に包帯をしていませんね!(笑)。「カリ城」のポスターは何種類かありますが、基本デザインは全て一緒なので、ルパンはどれも頭に包帯をしています。ルパンのスタンプの元絵はポスターからなのに、頭には包帯をしていない…そう考えると、このルパンのスタンプはすごくレアな感じがしますね(笑)。
 
資料的には、「マモ−編」は「ナイル殺人事件」、「カリオストロの城」は「Mr.Boo! ギャンブル大将」と併映という事になっていますが、私のところではそれぞれ1本立てで上映しておりました。
 
私は「カリ城」公開初日、梅田のニューOS劇場(現OS劇場)と言う映画館に観に行きましたが、上映1時間前位に着いても、そんなに人は並んでおりませんでした。でもそれは、「もうルパン人気が下降気味だった」という事とはあまり関係ないと思います。「ヤマト」や「999」、「ガンダム」なんかは初日、徹夜組も出て長蛇の列が出来ましたが、それは映画館が「初日、先着300名様にセル画プレゼント!」とかしていたので、皆、それ目当てに並んでいただけの話です。また、季節の関係もあるでしょうね。「ヤマト」、「999」は夏休み、「ルパン」は冬休みですから。
 
私はこの「カリ城」公開初日では、プレスポスターをもらいました。車内吊り広告大の、不二子の髪がショート、カゲがガスマスクを付けているやつです。東宝でもセル画のプレゼントはやっており、東宝+東京ムービーのやり方は、一般封切される2週間位前に有料試写会を行い、その来場者に配っていました。「カリ城」、「じゃりン子チエ」、「コブラ」なんかは全てこのやり方ですね。トラブルを防ぐ賢いやり方だと思います。一方、「ヤマト」、「999」の東映、「ガンダム」の松竹は、非常に支配人泣かせだったと思います。こういうところにも、ちょっとした映画会社のカラーの違いが見えたりして面白いと思います。
 
私は「カリオストロの城」という映画が、本当に楽しみで楽しみでしょうがなかったのです。TVファーストの大塚康生さんが、再び映画でデザイン、作画監督をされるなんて夢にも思わなかったからです。ただ、実際観てみると、絵的には想像以上に「未来少年コナン」の影を引きずっていて、それが多少残念ではありました。設定資料なんかでは、銭形は随分変わった印象をうけましたが、他のキャラクターに関しては、TVファーストの線をきれいにまとめたような感じで、さほど大きな違いは感じられなかったのですが、やはり実際作画作業に入ると変わっていくものなんでしょうね。
 
「クラリスというお姫様を助ける」というストーリーには、別段抵抗はなかったです。もうこの頃には既に、かなりのTVファースト再放送を観てきているわけですから、リーサや牧田リエのエピソードも頭の中に植え付けられ、「ルパンにはそういった面もある」と、自分の中では認識していましたから。ですから私には、「カリ城」のルパンだけが「女性に優しい」と言われる所以が理解できません。
 
それで公開初日、1回目の上映が終わった後、どこからともなく拍手が鳴り出し、やがて館内が拍手の渦に巻き込まれたのです!。いくら公開初日、1回目の上映と、コアなルパンファンが館内を埋め尽くしていたとはいえ、一般映画館で上映が終わった後に、自分も含めて、お客さん達が拍手をしたという経験はこれが初めてで、たぶんこれから先もしないだろうと思います。
 
当時の「カリ城」上映館の話ですが、私が2回目に観に行った時(年内か年明けかは、記憶が定かではありません)、ガラガラとは言いませんが6、7割位の入りで、「盛況」とも言えないような雰囲気で、やはり「マモ−編」の時の方が、映画館に活気があったような印象があります。例のスタンプも、押すのにそんなに苦労した記憶はなく、スムーズだったと思います。まぁ、私の経験から言わせてもらいますと、ああいったものは、その存在に気付いていても、案外押さずにそさくさと出て行ってしまうお客さんが多いみたいです。私の場合はそういうのに敏感で、「タダなら何でももらわなきゃ損」という、ちょっとイヤしい性格しているものですから…(苦笑)。本屋のカウンターにもポケットカレンダーや栞が置いてあったりするでしょう。ああいうのを持ち帰ったりするタイプなもんですから(苦笑)。
 
大盛況だったアニメ映画という点では、私の記憶では、やはり「さらば宇宙戦艦ヤマト―愛の戦士たち―」が群を抜いていますね。封切後2週間位してから一人で観に行ったのですが、それでも座るところがなくて立ち見もギッシリ…やっとこさ最前列に一席だけ見つけて、かなりしんどい思いをして観た記憶があります。まぁ、当時は入れ替えなんかあまりしていなくて、2、3回位映画を観ていく客が結構いたものですから、それで席がなかなか空かなかったせいもあるでしょうが…。結果的に「さらば〜」はロングランで、10月半ば位まで上映していたと思います。次は以外に思われるかもしれませんが、「がんばれ!タブチくん」で、多少上映館が小さかった事もありますが、これまた満席、立ち見ギッシリで、私だけではありませんが、座席と座席の間の通路に体育座りのような格好で観ておりました。まぁ、この「〜タブチくん」も興行的には大成功で、確か第3、4弾まで制作されましたね。昔は人気映画の鑑賞ともなると、まさに席取のサバイバル戦争で、朝早くから並んだり、前の上映が終わると、モミクチャにされながら館内になだれ込んだり、「何でお金払って観に来てるのに、こんなしんどい思いせなあかんのや〜!」といった事が多々ありましたね。現在では映画館も、指定席制になっているところが多いようなので、そこまでしんどい目はしなくてすみます(笑)。