●激走!フィアット&おまけ●
2008/7/1 (Tue.) 03:12:12
 
 
この絵をご覧になればおわかり頂けるかと思いますが、これは大塚さんがお描きになったアニメージュ79年11月号の表紙絵を模写したものです。ただ、ルパンの顔、次元のつばの小さいデレッとした帽子が気に入らなかったので、その箇所は自分好みに描き変えています。今回アップさせて頂いた絵を描いていた頃の私は、キャラクターデザインに関してはガチガチのファースト至上主義者だったのです(笑)。私が生まれて初めて目にした「ルパン三世」はアニメのファースト・シリーズでしたので、やはりどのキャラクターも、その時のデザインが一番自分の中でしっくりするんですね。ですから、ルパン達の手の甲には毛があってほしいし、逆に鼻の穴は描かないでほしかったのです(笑)。それで当時は、ルパン、次元、五ヱ門、不二子、銭形を、「いかにファーストに似せて描けるか、ファーストっぽい雰囲気を出せるか」を意識しながら絵を練習していたように思います(厳密に言えば、ファースト中期頃の絵)。
 
後、表紙絵には無かった次元の手の甲にも毛を生やしました。個人的にはルパン、次元、銭形の手の甲の毛は、こだわりの部分でもあり、ゆずれない部分でもあります(笑)。今回の絵は、タップ穴は見えてませんが(スキャナがA4サイズなので)動画用紙に描いた物です。描いたのは多分二十歳前位で、前回の絵よりは後です。最初はセルに描きおこすつもりだったんでしょうが、多分模写している間に、「これ、セルに描きおこすの大変そうやなぁ…」と思い、結局動画用紙のまま1枚絵として完成させたんでしょう。バックの斜線や「ブォオオー」という擬音が、いかにも苦肉の策でとり繕った感じがします(苦笑)。
 
 
私が十代半ばから後半位までの頃、史上空前のアニメブームだったおかげで、アニメ関係の道具(タップ、動画用紙、セル、セル彩色用絵の具等)は結構容易に入手する事が出来ました。私のセル画デビューはキャプテンハーロックで、これは自分で絵を描いたのではなく、元々輪郭線が印刷されたセルを買って(有紀蛍と2枚組)、セル彩色に初挑戦したのです。セル画は裏塗りするので、仕上がりが本当に綺麗なんですよね。ただ、私も最初の頃はよく失敗しました。白色のような淡い色は、後から塗らないとダメなんですね。セル彩色は隙間を作るといけませんから、乾いている色の上に、別の色をある程度はみ出させて(重ねて)塗るのですが、淡い色の後に濃い色を塗ると、表を向けた時に、淡い色の部分にはみ出した濃い色がカゲになっている場合があったりするのです。また、一つの淡い色が大部分を占めている絵も大変で(例えばクラリスの純白のウェディングドレス)、一回塗っただけでは薄い部分があったりして色ムラが出来ており、薄い部分にまた重ね塗りを繰り返して、結構厚塗りをしないといけませんでした。そうやって失敗を繰り返しながらセル彩色のコツを覚えていきましたが、でも本当のところ、きちんと最後まで彩色して仕上げたセル画は、失敗作も含めて10枚あるかないか位のものだったと思います(苦笑)。
 
 
ところで、今回この絵と同じく動画用紙に描かれた絵が数枚出てきまして、他に出てきたのは「みゆき」、「うる星やつら」のラム、「伝説巨神イデオン」のカララ・アジバ、「女王陛下のプティ・アンジェ」のアンジェ、「未来少年コナン」のコナンとラナの絵です。そのうち、ラム、カララ、コナンとラナは、トレースした線画状態のセルも出てきました。当時、ちゃんと完成させたセル画も何枚かあったんですが(アムロとフラウ・ボウとか、003とか、メーテルとか)、どういうわけか、そちらの方は全部処分してしまっているんですね(苦笑)。逆に描きかけの中途半端なものだから、ほったらかしにしておいて記憶から消え去り、そのまま残っていたのかもしれません。そういうわけでオマケといっては何ですが、大塚さん、宮崎さん絡みの作品という事で、コナンとラナの絵も一緒にアップさせて頂きました。