林檎色のポケットさん

光と影…不二子と吟子〜二人は一人               
光と影…不二子と吟子〜二人は一人               
2006/9/30 (Sat.) 01:10:32
 
今回の絵は、「こんなポスターがあれば、部屋に飾りたいな〜」というようなイメージで描きました。現在でも数多くの様々なルパングッズが販売されていますが、その中でもTVファースト調で描かれたキャラクターは、どうも雰囲気が違って気に入らなくて…。
それで、ちょっと自分で納得するような、TVファースト初期の不二子ちゃんが描きたくなったのです。不二子ちゃんのファッションは、吟子との対照性をより引き立たせる為、ヒラヒラを付けてみました(笑)。
 
大塚康生さんがデザインされた、TVファーストの不二子ちゃんは、原作や他のアニメ・シリーズの不二子ちゃんと違って、ちょっと肉付きが良く、身体が丸みを帯びています。その「むっちり感」(エロオヤジ発言!)が生身の女性の色気を醸し出し、そして、TVファーストの不二子ちゃんが私も含めて、ルパン・ファンに一番支持されている要因の一つだと思っています。勿論、魅力はそれだけではなく、ファッションもオシャレで、本当にカッコいい…それはレトロな雰囲気がしてカッコいいのではなく、35年も前の作品なのに、「古臭さ」、「ダサさ」を全く感じさせません。私の場合、この絵もそうですが、マフラーをなびかせるのが好きなんですよね。やはり色々なヒーローがマフラーをしていた時代に育ったものですから(苦笑)。
 
原作者のモンキー・パンチ先生も、TVファーストの初期・監督、大隈正秋さん、デザイン・作画監督の大塚康生さんも、「峰不二子はオシャレで、流行の最先端を行く女性」として描かれていたのですが、その論法で行くと、現在の(テレスペの)不二子のファッションは、本当に流行の最先端を行っているのでしょうか?(苦笑)。そういう関心は、ゲスト・ヒロイン(この言葉自体が、「ルパン三世」という作品の中でポピュラー化してしまったのは、非常にイヤなんですが…)に注ぎ込まれているようですね。不二子の場合、「もう、ミニスカートやブーツなんか履いてる歳でもないやろ!」的な雰囲気を醸し出しているというか、そんな扱われ方をされているような…(悲)。
 
グッズに関して…以前chebさん宅のお絵描き板でコメントしたのですが、ネットで検索してみると、フィギュアもそうですが、ルパンのジグソーパズルも結構種類がありまして…。その中でもTVファースト初期の不二子ちゃんを基調としたデザインもあるのですが、私からしたら「出来の悪い贋作」もいいところで…(苦笑)。傲慢な言い方ですが、「あんなん金出して買うくらいやったら、自分で描いといた方が、よっぽどマシやわ!」ってな感じです(苦笑)。そういう、不二子の「出来の悪い贋作」は、過去のテレスペや広告等、いたるところで見受けられます。
 
これはやはり、「ルパン三世」という作品に対する、「思い入れの差」なんだと思います。実際に「漫画アクション」に連載されている「ルパン三世」を読んでいて、「これは面白い!、アニメ化したい!」と思っていた大隈さんや大塚さんらが作られたものと、「仕事の一つ」として引き受けられた方々が作られたものとでは、やはりキャラクターの魅力は全然違います。ですから、ある意味モンキー・パンチ先生は、非常に幸せで恵まれた人だと思います。もし、一番最初にアニメ化された際、大隈さんや大塚さんらが制作に関わっていなかったら、以降、これだけ多くのアニメ「ルパン三世」が制作されてきたかどうかは断言できません。
 
※尚、この絵は、ベルさんのサイト「林檎色のポケット」開設1周年を記念して、そのお祝いとして描かせて頂きました。
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