Lupin the Punch★

初笑い!新春4コマ劇場
2009/1/19 (Mon.) 02:41:04
 
 
 
さて、今回UPさせて頂いた絵ですが、4コマ漫画に挑戦いたしました!。事の発端は、今年のお年賀イラストの図案を考えている時、丑年といえば、私は真っ先に、次元の「よしなよ、牛みたいにモーモーわめくのは…」(ファースト・第5話より)というセリフが頭に思い浮かんだのです。「ルパンファンなら、やっぱりこれは使わない手はないだろう!」と思い、このような4コマ漫画を思いついたのですが、時間的には、もうそんなものを描いている余裕もなく、また、サイズ的にもお年賀イラストとしてはふさわしくないので、それはヤメにしました。しかしながら、世界のナベアツの「3」のネタ同様、「今、描いておかないと!」とか、「誰も描かないなら、自分が描く!」という強い衝動に駆られてチマチマと描き始め、、本日こうして、ようやく完成までに至った次第です。まぁ、松の内もとっくに過ぎ、一月も下旬にさしかかろうとしていますが(苦笑)、「一月」と「二月」では、だいぶ意味合いが違ってきますので、大目に見てやって下さい(笑)。
 
それにしても漫画を描くのって、本当に難しいですね。コルトさんは昔、漫画を描いていたり、投稿もされた事があるようですが、ストーリー漫画はおろか、今回のような4コマ漫画でさえ、私はメチャクチャ苦労しましたよ。一コマ内の構図の取り方とか、フキダシの形でさえ描くのが難しかったです(苦笑)。ですから照れ隠しの意味も含めて、あえて赤面してしまうようなタイトルや、丑年年頭において禁断であろう、「ウッシッシ」のギャグを採り入れたりして(苦笑)、ベタな感じに仕上げました。寒さの厳しい昨今ですが、この漫画をご覧になって、より一層寒さが増しましたらゴメンナサイ(苦笑)。
今回私が描かせて頂いた4コマ漫画のネタもそうなんですが、ファーストのルパンって、「とても茶目っ気たっぷりイタズラ好き」という印象があります。魔毛さんの回でも、次元、五ヱ門の反応を見る為に消えてみたり、銀子さんの回でも、お札の肖像画を自分の顔に変えてみたり…。そんな中でも一番印象が深く、今観ても大笑いするのは、ルパンと示刀流総帥が対決、追いかけっこをしている最中、ルパンが仕組んだ落下してきた鉄の塊を総帥が斬鉄剣で斬り刻むと、その中からまた鉄の塊が出てきて、総帥の頭に直撃するというシーンです。そしてその後の落とし穴も!。これらのイタズラに共通している事は、実はルパン自身は結構切羽詰っていて、「生か!?、死か!?」といった極限状態のような時に行なっているんですね。そんな状況でもどこかに感じられる心の余裕、遊び心…、すごいロボットを操縦したり、人間離れした力を発揮したり、技を繰り出したり、そんな見た目でわかるようなカッコよさとは別に、ルパンの場合、本当に人間的な部分で魅力を感じ、カッコいいと思い、憧れ、そして心を鷲掴みにされ、そしてそして、現在まで至っております(笑)。
 
閑話休題
 
私がルパン関連の「もし…?」で一番最初に思いつく事柄は、「1970年頃、もし『ルパン三世』が当初の企画通り、劇場用長編作品として、製作、公開されていたなら…」という事です。スタッフはおそらくパイロット版と同じ、監督が大隅さんで、アニメーター陣は大塚さん、芝山さん、小林さん、杉井さん…と、相当クォリティが高く、また、当時としては非常に斬新な作品が出来上がったと思いますが、果たしてそれが話題や興行成績に結果を残したかといえば、ちょっと疑問符がつきます。当時はやはり、アニメは「テレビマンガ」、「マンガ映画」と称され、「そんなものは子供の観る物」という絶対的概念が、風潮としてあったからです。ですから大人や二十代の若者でも、興味はあっても「見栄」や「世間体」で、わざわざ「マンガ映画」を観に映画館まで足を運ぶ人は少なかっただろうと思われます。結果、現在に至るまでのTVシリーズも存在せず、映画の方は、「昔、こんなすごいアニメ映画があったんだ!」と、一部熱狂的なマニアだけが知っているような、カルト作品になっていたのではないでしょうか。また、もう一つの可能性としては、「映画をTV放映した際、毎回高視聴率を取るのでTVシリーズ化を検討、そして数年後、TVファースト終了からTVセカンド開始に至るまでと全く同じ経緯をたどって、TVシリーズ放映開始」となったのではないかと…。もしそうだった場合、どのようなスタッフが集まって製作されたのかはわかりませんので、作品の内容、出来は全く想像出来ませんが、案外、TVセカンドと似たような感じだったんじゃないかな、と思ったりします。やはりどんなスタッフにも関わらず、その時代性、時代背景が、大きく作品に影響されると思いますので。
 
「ルパン三世」が当初、劇場用長編作品として企画されたのは、青年誌に連載されていた漫画である事、そして、勿論その作品内容からなんですが、もう一つ、これは私の憶測にすぎないのですが、当時の東京ムービー社長であった藤岡さんの、虫プロに対する対抗意識もあったんじゃないだろうかと思います。虫プロは大人向け劇場用長編アニメ作品として、「千夜一夜物語」('69)、「クレオパトラ」('70)を製作、公開しています。「哀しみのベラドンナ」は昔、よく年末年始の深夜にTVで放映されていました。なんせ、性行為、男性器、女性器を象徴した描写が、ふんだんに織り込まれた作品でしたからね(笑)。多分探せば、ビデオのどこかに残っていると思うのですが…。その技法、表現方法、色彩、映像演出等、アニメーションという分野において、そうとう冒険的、実験的な事をしている、斬新で画期的な作品ですね。深井 国さんの繊細で美しい水彩画が本当に素晴らしいです!。昔のアニメスタッフ達は、まだまだ発展途上だった日本のアニメーションに対して、無限の可能性を見い出そうと様々な事にチャレンジし続け、夢を追い求めていたのでしょう。本当にいい時代でした…。
 
藤岡社長は商売に関しては、非常にバイタリティーに溢れ、好奇心旺盛、開拓精神を持った人物だったようで、ルパンマガジンの吉川さんインタビューでも、「藤岡さんは、『ヤマト』の西崎プロデューサーを意識、ライバル視していた」とあるように、「大人向け劇場用アニメでも、ウチが一番なんだ!」という事を、虫プロに見せつけ、世間に知らしめたかったからなのかもしれません。

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